あらすじ
「私は書店さんが大好きなんです!」 書店員さんは本を読者の方に届けてくれる大事な人というだけでなく、どうすれば本が売れるだろうとあれこれ考えてくださり、いつもどこかうきうきしている魅力的な人が多くて、お会いするとうれしくなります。そして、私が本を作るうえでの仲間だと勝手に思っています。 できるだけたくさんの書店さんに行きたい。私が元気をもらうだけでなく、書店員さんに少しでも恩返しをすることができないか。そんな思いでこの本を書きました。 書店員さんと読者の方々が笑ってくださったら、こんなに嬉しいことはありません。 瀬尾まいこ ―― 本屋大賞受賞後、たくさんの書店まわりをして、多くの書店員さんたちに出会った瀬尾さんは気付きます。 「こんなに魅力的で楽しい場所があったのか」と。 そんな書店さんとの思わず笑ってしまうエピソードの数々と、水鈴社創立第1作である『夜明けのすべて』が映画化された際の、出演者や監督との交流などの様々な思い出を、瀬尾さんらしい軽妙なエッセイにまとめました。 ・編集者の口約束に戸惑い、謎の多い出版業界の慣習に困惑しながら書店巡りをすることになる「無敵のカルカン先輩現る」。 ・本屋大賞を受賞し、全国の書店員さんたちにお祝いしていただきながら、お祭りのような日々を過ごした「そしてバトン、ゴールデンイヤー」。 ・書店員さんたちの作るPOPに感動! そして用意していただいたくす玉を上手く割れなかった「くす玉を割るコツと絶景横浜」。 ・主演の松村北斗さんのかっこよさに驚き、上白石萌音さんの真摯さに胸を打たれながらも鋭いツッコミを入れる「『夜明けのすべて』撮影見学記」。 ・顔は怖いが心は優しい三宅唱監督とのタイマン、いや対談の様子をレポートした「ついに対談の日、来たる」。 などなど、全25本のエッセイを収録。 そして巻末には、吉川英治文学新人賞受賞のベストセラー『幸福な食卓』の後日譚を書店を舞台に描いた書き下ろし短編小説「そんなときは書店にどうぞ。」が掲載されています。 瀬尾まいこさんの書店と書店員の方々への溢れる愛とユーモアが凝縮された、ほっこり温かく、思わず笑みがこぼれる一冊です! 「どんなときでも書店にどうぞ。」 なお、この作品の著者印税と収益は、書店文化振興のために活用されます。
映画・ドラマ版との違い・考察
瀬尾まいこ作品の根底には、不器用な善意が世界を救うという祈りに似た信頼があります。本書は、その温かな眼差しが物語から現実の書店員へと向けられた至福のラブレターです。飾らない言葉で綴られる交流からは、本を介して繋がる人々の情熱が鮮やかに浮かび上がり、読者の心に静かな活力を与えてくれます。 映像化された「夜明けのすべて」を巡る回想も白眉です。小説の繊細な描写が、実写という血の通った表現と共鳴し合う舞台裏は、まさに表現のシナジー。原作と映像、両者を味わうことで物語の救いはより深まり、読書体験はより立体的に輝きます。本と映像が織りなす奇跡を、ぜひその目で確かめてください。






