落地成球/墨香銅臭
義城でかつての名士・暁星塵(シャオ・シンチェン)と出会った魏無羨(ウェイ・ウーシエン)たちだが、その正体は別人で…!?
本作の真髄は、正義と悪の境界が残酷に崩れ去る「義城編」の極致にあります。清廉な暁星塵と悪意の化身たる薛洋。二人の交錯は善悪の対立を超え、他者を理解することの不可能性と、そこから生じる孤独を鮮烈に描きます。墨香銅臭氏が紡ぐ、美しくも凄惨な筆致が読者の魂を激しく揺さぶります。 物語を貫くのは、盲目という設定が象徴する「真実を見極める困難さ」です。愛憎が狂気的な執着へと変貌する恐ろしさと、絶望の中に宿る一筋の情。文字から立ち上る血の匂いと悲痛な叫びは、読者に消えない後悔を刻みます。一度触れれば心に深い傷を残すような、強烈な文学的引力を放つ傑作です。
墨香銅臭 は、中国の小説家。