あらすじ
信じるのか、赦すのか。それともーー壊すのか。一人の男を巡る愛憎の物語。義城編、核心へ!
凶悪な「左腕」の謎を解く旅路で、荒れ果てた義城へ辿り着いた魏無羨と藍忘機。そこで、かつて名を馳せた名士・暁星塵と出会うが、その正体は彼のふりをした悪名高いごろつきの薛洋だったーー!さらに、盲目の少女・阿箐の幽霊に導かれ、一つの棺を開けると、その中で眠っていたのは本物の暁星塵の遺体だった。真実を知るため、阿箐の魂を体に招き入れ、生前を追体験する危険な術を行う魏無羨。そして、三人の男と一人の少女の運命が交差した愛憎渦巻く悲劇が明らかになっていくーー。
ISBN: 9784866579092ASIN: 4866579099
作品考察・見どころ
本作の真髄は、正義と悪の境界が残酷に崩れ去る「義城編」の極致にあります。清廉な暁星塵と悪意の化身たる薛洋。二人の交錯は善悪の対立を超え、他者を理解することの不可能性と、そこから生じる孤独を鮮烈に描きます。墨香銅臭氏が紡ぐ、美しくも凄惨な筆致が読者の魂を激しく揺さぶります。 物語を貫くのは、盲目という設定が象徴する「真実を見極める困難さ」です。愛憎が狂気的な執着へと変貌する恐ろしさと、絶望の中に宿る一筋の情。文字から立ち上る血の匂いと悲痛な叫びは、読者に消えない後悔を刻みます。一度触れれば心に深い傷を残すような、強烈な文学的引力を放つ傑作です。