斉藤真知子
けふだけの顔が鏡に秋の暮 自選十句 十年をほつたらかしに香水瓶 我こそが羽抜鳥とは知らざりき 夜寒さやひとつ離るる影法師 けふだけの顔が鏡に秋の暮 掃きながら落葉と遊ぶ箒かな 枯れ果てて光まばゆき枯野かな まだ枯るるところののこる蓮かな マフラーに怒りの顔をうづめをり 一木は裸となりてさすらへり 春の波ひかりまみれとなりかへす