新宿二丁目という街で、冷徹な銃器と揺れ動く人の情念を交錯させる柊サナカ氏の手腕には脱帽します。本作の真髄は、銃という死の道具を直す営みを通じ、傷ついた魂を再生させていく物語の深みにあります。専門誌連載ならではの緻密な描写が、登場人物の矜持を象徴する文学的な暗喩として機能している点が圧巻です。
本作が描くのは、銃の裏側に潜む孤独と救済です。職人の厳格な眼差しと、疎外された者へ注ぐ慈愛に満ちた筆致が、読者の胸に鋭く突き刺さります。ハードボイルドな硬質感と切ない叙情性が同居する、魂を震わせる傑作といえるでしょう。