あらすじ
ぼくらは、1970年12月、コネチカット州に住んでいた。猫のピートは、いつも冬になると、夏への扉を探す。たくさんあるドアのどれかが夏に通じていると信じ込んでいるのだ。そう、ぼくも夏への扉を探していた。婚約者のベルに裏切られ、仕事は取りあげられ、生命から二番目に大切な発明さえも騙しとられてしまった。そんなときだ、ぼくの目が「冷凍睡眠保険」に吸い寄せられたのは。ぼくは、猫のピートと共に、30年後に蘇る冷凍睡眠を申し込もうとする。そして、2000年の12月に...。20世紀を代表するSF作家、そしてアメリカSF界最大の巨匠としてあまりにも有名な、ロバート・A・ハインラインの最高傑作。辞書のいらない「ルビ訳」。
ISBN: 9784770026606ASIN: 4770026609
作品考察・見どころ
ハインラインが描くのは、単なる科学技術の進歩以上に「決して諦めない人間の意志」です。絶望の淵に立たされても、愛猫と共に「夏への扉」を信じ続ける不屈の楽観主義こそが、本作を半世紀以上愛される不朽の名作に仕立て上げました。緻密な伏線が織りなす時間SFとしての完成度と、人生への希望を失わないロマンティシズムの融合は、読む者の魂を熱く揺さぶります。 映像版では視覚的な叙情性が際立ちますが、原作の真髄は主人公の知性と情熱が同居した一人称の語りにあります。文字から立ち上がる圧倒的な熱量は、読者に未来を自ら切り拓く勇気を与えてくれるでしょう。映像で物語の全体像を捉え、小説でその内面的な論理に深く没入することで、時空を超えた感動はより鮮やかなものへと昇華されるはずです。