中山有香里
2年連続料理レシピ本大賞・コミック賞受賞著者による、全書き下ろし、はじめてのコミックエッセイ。がんばれなくてもおいしい自炊料理で自分を労わることができる料理レシピを多数収録。食べることで四季を感じられるようなエピソードとレシピが満載です。
本書が描くのは、単なる料理の記録ではありません。日々を懸命に生きる私たちが、ふと立ち止まって自分を抱きしめるための、祈りにも似た生活の断片です。中山有香里氏の柔らかい筆致は、頑張れない日の自分さえも肯定してくれる慈愛に満ちており、一皿の料理を通じて心身を整えていく過程が、文学的な繊細さを持って綴られています。 巡る四季の彩りを五感で捉え、旬の味覚を自分への労わりに変える感性は、慌ただしい現代社会で忘れかけていた豊かさを思い出させてくれます。ページをめくるごとに、台所から漂う湯気のような温もりが読者の孤独に寄り添い、生きることの根源的な喜びを再発見させてくれる傑作です。明日への活力を静かに灯す、人生の伴走者のような一冊と言えるでしょう。