あらすじ
令嬢は伯爵のもと、大人の女に成長しようとしていた——大ベストセラー作家P・ジョーダンの語り継がれる名作。 スペインの修道院で暮らすホープは、厳格な父の希望どおり外の世界をいっさい知らずに成長した。そして18歳になったある日、ホープのもとに父の代理だという見知らぬフランス人の伯爵が迎えに来る。言われるがまま、ブルゴーニュにある伯爵の豪奢な屋敷へ連れていかれたホープだが、そこで聞かされた話に戦慄した——父がホープを修道院に閉じこめていたのは政略結婚させるため、それまで娘の純潔を守ろうとしてのことだったという。言葉を失うホープに伯爵は告げた。僕は君の父親に復讐するため、今夜君を傷ものにするつもりだと。 *本書は、MIRA文庫から既に配信されている作品のカバー替え版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。 ハーレクイン MIRA文庫
ISBN: 9784596469489ASIN: 4596469482
作品考察・見どころ
ペニー・ジョーダンが描く本作の真髄は、抑圧された魂が自我に目覚めるまでの、苛烈かつ官能的な精神の遍歴にあります。修道院という聖域から、復讐の炎が渦巻く邸宅へ。この環境の変化は、無垢な少女が自らの愛を「選択」する一人の女性へと変貌を遂げるための、不可欠なイニシエーション(通過儀礼)として機能しています。 特筆すべきは、ジョーダンの緻密な心理描写が生み出す緊迫感です。復讐という暗い情熱が、いつしか抗いがたい愛へと昇華していく過程には、人間の根源的な渇望が映し出されています。運命に翻弄される存在だった彼女が、宿敵との対峙を通じて主体性を獲得していくドラマは、まさにロマンス文学の白眉。魂を揺さぶる至高の読書体験がここにあります。