アリスン・ロバーツ堺谷ますみ
「ここで子供たちのお世話をするのが本当に楽しみです」 青白い顔のエマがほほえむと、医師のアダムは冷ややかにうなずいた。 3年前の12月に妻に先立たれて以来、この時季はいつも不機嫌らしい。 おかげで幼い双子は家族でクリスマスを祝ったことがないという。 そんな彼らの屋敷に住み込みのナニーとして雇われたエマは、 実は難病の治療が一段落したところで、密かに死を覚悟していた。 全力で双子を愛し、懸命に楽しいクリスマスを贈ろうとするエマに 怒りを見せるアダムだったが、やがて彼女の優しさに癒やされていく。 これが私の人生最後のクリスマスなら、最高のものにしたい。 そう強く心に願ったエマは、彼に無私の愛を捧げるが……。