あらすじ
多極化の時代といわれた1970年代に、サミット、日米欧三極委員会、GATT東京ラウンドといった日米欧を中心とする政治・経済面での協調はどうなされたのか。日米欧それぞれの視点、かつ政治・経済・軍事など多角的側面から新たな国際秩序の模索を検討し、その全体像を解明する。
はしがき
序 論 戦後国際秩序の刷新と日米欧関係 [黒田友哉、森靖夫、倉科一希]
◆第1部 三極体制の起源と展開
第1章 日米欧三極委員会参加の日本的意義 [森]
第2章 日米欧三極委員会とアメリカ国内政治 [倉科]
第3章 草創期サミット再考 [黒田]
第4章 『成長の限界』 [ジュリアーノ・ガラヴィーニ/高坂博史 訳]
第5章 アパルトヘイトと日米欧関係 [小川浩之]
◆第2部 政治経済問題の展開
第6章 日米欧が主導した東京ラウンド? [能勢和宏]
第7章 秩序管理主体としての「日米欧」の形成 [鈴木宏尚]
第8章 経済危機に直面するトライアド(日米西欧)[ローラン・ヴァルロゼ/窪内尊之 訳]
コラム 日米欧パートナーシップの将来 [飯村 豊]
◆第3部 外交・安全保障の展開
第9章 最悪の10年? [トーマス・A・シュウォーツ/石本凌也 訳]
第10章 アメリカの陰で [ピエール・ジュルヌー/粕谷真司 訳]
第11章 冷戦とエネルギー問題の相克 [青野利彦、尾身悠一郎]
第12章 原子力平和利用と核不拡散体制の相剋 [武田 悠]
第13章 西側同盟の再編へ、1962〜1983年 [細谷雄一]
補 章 日欧貿易摩擦の緩和とルールに基づく国際経済秩序の模索[鈴木 均]
あとがき
人名索引
作品考察・見どころ
本書が描き出すのは、冷戦下の静止した構図ではなく、激動の「長い七〇年代」という大海原で国家の意志が衝突・融和するダイナミズムです。俊英たちが多角的に切り込む論考は、単なる史実を超え、現代の国際秩序の起源を浮き彫りにする重厚な群像劇のような知的な熱量を帯びています。 日米欧の三極が、思惑を孕みつつ新たな協調を模索するプロセスには、外交という名の極上のドラマが潜んでいます。テキストが紡ぐ緻密な分析は、読者の前に高解像度で当時の情勢を蘇らせ、現代の混迷を読み解く鋭い視座を与えてくれます。歴史の分岐点に触れる興奮に満ちた、知の最前線を体現する一冊です。