横尾忠則という稀代の表現者が紡ぐ世界は、生と死、聖と俗が渾然一体となった巨大な生命体そのものです。本書は、半世紀を超える創作の軌跡を辿ることで、彼の内側に潜む無垢な本能がいかにして宇宙の真理へと接続されているかを、かつてない解像度で描き出しています。
図版の圧倒的な密度もさることながら、多面的な思考を紐解く解説こそが本書の白眉です。ジャンルを軽々と飛び越え、変貌を繰り返しながらも一貫する「描くことへの狂気的な衝動」は、観る者の魂を激しく揺さぶります。これは単なる画集ではなく、私たちが忘却した根源的な感覚を呼び覚ます、情熱に満ちた知の曼荼羅なのです。