玉越博幸が描く本作の真髄は、清廉潔白を装う女子学院という閉鎖空間を舞台に、人間の奥底に潜む剥き出しの好奇心と、歪な純愛を鮮烈に炙り出した点にあります。単なるラブコメの枠を超え、社会的な仮面と個人の本性が激突する様は、滑稽でありながらも不思議な崇高さを漂わせています。
特にヒロイン・理夢の造型が見事です。聖域の象徴たる彼女が隠し持つ変態性とは、既存の道徳への反逆であり、真の自己を解き放とうとする切実な叫びでもあります。予測不能な展開の裏側に、他者と深く繋がることの痛みと喜びを突きつける、著者独自の鋭い人間観察眼が光る傑作です。