あらすじ
第64回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門受賞 ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。ファルクはアミーナの父ローレントに、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げた……。いずれ劣らぬ怪しげな傭兵たちが顔を揃える中、殺人劇の幕が上がる。いま最も注目を集める俊英が渾身の力で放ち絶賛を浴びた、魔術と剣と謎解きの巨編。第64回日本推理作家協会賞受賞ほか、各種年末ミステリ・ランキングで上位を総なめにした、俊英渾身の本格推理巨編。
ISBN: 9784488451073ASIN: 4488451071
作品考察・見どころ
本作の真髄は、幻想的な中世の世界観と、妥協なき本格ミステリの論理が融合した点にあります。魔法が実在しながらも、謎を解くロジックは冷徹なまでに数学的です。超常のルールさえも伏線に変えてしまう米澤穂信の圧倒的な構成力に、読者は心地よい戦慄を覚えるでしょう。 騎士道が薫る重厚な筆致は、閉ざされた島で生きる人々の誇りと運命を浮き彫りにします。犯人探しを超え、人間の業を抉り出す文学的な深みこそが、本作を孤高の傑作へと押し上げています。知性と情緒が激突し、火花を散らす至高のミステリです。





