あらすじ
読書メーター読みたい本ランキング第1位
(月間 単行本部門 集計期間:5月2日ー6月1日)
『52ヘルツのクジラたち』本屋大賞受賞作家、町田そのこ最新作!
ずっと夜のままかもしれない。
そう思ったあの日、
あなたがわたしの光になった。
自分の居場所を探し続ける人々をあたたかく照らす、
本屋大賞受賞作家による、心ふるえる傑作小説。
蛍が舞う夏祭りの夜──山間にある小さな町に暮らす中学生の坂邑幸恵と桐生隆之は、生きるために互いの秘密を守り合うことを決めた。それから十五年後、大人になった幸恵と隆之の予期せぬ再会が、家族や友人、町の人々の人生に大きな影響を与えていく。明かせぬ秘密を抱え、思い描いた道のりではなかった。それでも、この小さな光が照らす世界を大切に生きたい。一人一人のささやかな祈りを描いた、心震える傑作小説。
ISBN: 9784488029296ASIN: 4488029299
作品考察・見どころ
町田そのこが描くのは、絶望の淵で震える魂が、他者のささやかな光に救われる瞬間の眩さです。本作は、閉塞感漂う町で消えない傷を抱えた二人が、生きるための連帯を結ぶ物語。言葉にならない痛みを掬い上げる繊細な筆致が、読者の心の奥底に眠る「居場所への渇望」を激しく揺さぶります。 十五年の歳月を経て再会する彼らの姿は、後悔さえも人生の糧であることを教えてくれます。暗闇で舞う蛍のように、儚くも力強い祈りの連鎖が、周囲の心をも解かしていく過程は圧巻。自らの欠落を抱えながら他者を慈しもうとする人間の気高さに、ページをめくる手が震えるほどの感動を覚える傑作です。