あらすじ
ショートショートの傑作続々 全集の掉尾を飾る第4巻 『未来世界から来た男』で創元SF文庫の第1弾を飾った名手の全SF短編を年代順に集成する決定版全集 第4巻には本邦初訳2編を含む全68編を収録 奇抜な着想、軽妙なプロットで、短編を書かせては随一の名手。1963年には『未来世界から来た男』で創元SF文庫の記念すべき第1弾を飾ったフレドリック・ブラウン。その多岐にわたる活躍の中から、111編のSF短編すべてを年代順に収めた決定版全集・全4巻。第4巻には「回答」「猫恐怖症」など、ショートショートの名作を含め68編を収録。 【収録作】 「緑あふれる」 「おれとフラップジャックと火星人」 「愛しのラム」 「翼のざわめき」 「鏡の間」 「実験」 「辺境防衛」 「立入禁止」 「ごもっとも」 「ヴードゥー」 「回答」 「デイジー」 「相似形」 「あいさつ」 「荒唐無稽」 「和解」 「探索」 「宣告」 「唯我論者」 「血」 「想像」 「最初のタイムマシン」 「ひどすぎ」 「至福千年期――いつか訪れる正義と平和の時代」 「遠征隊」 「ハッピーエンド」 「ジェイシー」 「不運続き」 「意地悪」 「ロープ魔術」 「雪男」 「クマんにひとつの」 「退場」 「ファースト・コンタクト」 「こだま」 「失われた大発見その1――透明人間」 「失われた大発見その2――不死身」 「失われた大発見その3――不死」 「趣味と実益」 「ジ・エンド」 「青の悪夢」 「灰色の悪夢」 「赤の悪夢」 「黄色の悪夢」 「緑の悪夢」 「白の悪夢」 「ユースタス・ウィーヴァーのつかのまの幸福(1)」 「ユースタス・ウィーヴァーのつかのまの幸福(2)」 「ユースタス・ウィーヴァーのつかのまの幸福(3)」 「輝くひげ」 「猫泥棒」 「脅迫状」 「山上に死す」 「致命的な失敗」 「魚の流儀」 「馬かしあい」 「家」 「悪ふざけ」 「ハンス・カルヴェルの指輪」 「起死回生」 「三羽のふくろうの子」 「ばあばの誕生日」 「猫恐怖症」 「人形劇」 「ダブル・スタンダード」 「事件はなかった」 「エージェント」 「小夜曲(アイネ・クライネ・ナハトムジーク)」 編者の注および謝辞 収録作品解題=牧眞司 解説=渡邊利通
映画・ドラマ版との違い・考察
フレドリック・ブラウンの短編は、宇宙の広大さと人間の矮小さを、わずか数ページで残酷かつ諧謔的に描き出す奇跡の結晶です。「回答」を筆頭とする本作の真髄は、精緻な論理の先に待ち構える、既成概念を鮮やかに裏切る知的な快楽にあります。SFという枠組みを借りつつも、そこに通底するのは人間存在への鋭い皮肉と、言葉のパズルがもたらす文学的芳醇さです。 映像化作品では独創的な発想が視覚的衝撃に昇華されていますが、原作が湛える「行間に潜む静かな恐怖」は、活字でしか味わえない特権です。映像の具体性を超え、読者の脳内で無限に拡張される冷徹なヴィジョン。この完結巻は、媒体を超えて響き合う不滅の才気を目撃する、最高峰の知的冒険を約束してくれます。