H・G・エーヴェルス/クラーク・ダールトン/鈴木ファストアーベント理恵
謎のメッセージを受けたゲシールは惑星タントロスを目指すが、途中で寄港した惑星グロプノールで坑道に落下し、仲間も精神支配される
不朽の宇宙叙事詩の一翼を担う本作は、単なるスペースオペラを超えた、人間の精神の脆弱性と強靭さを描く心理的スリラーの極致です。H・G・エーヴェルスとクラーク・ダールトンという巨匠たちの筆致は、広大な宇宙の孤独と、閉塞感漂う坑道の闇を見事にシンクロさせ、読者を未知の深淵へと誘います。 物語の核心にあるのは、物理的な脅威以上に恐ろしい、内面を蝕む精神支配という見えない敵との対峙です。時の石板という神秘が運命のメタファーとして機能しつつも、窮地で輝く個の意志が物語に熱い血を通わせています。緻密な設定の裏側に潜む、文明の黄昏と再生のテーマをぜひ魂で感じ取ってください。