長田弘/土田豊貴
2台ピアノと混声合唱のための組曲。あい混声合唱団(指揮:相澤直人/ピアノ:田中翔一朗、松下倫士)による委嘱作品。〈立ちつくす〉が2019年9月7日(文京シビックホール 大ホール)第74回東京都合唱コンクール 大学職場一般部門 混声合唱の部にて初演。その後5年の月日を経て、3曲の組曲として2024年7月21日(大田区民ホール・アプリコ 大ホール)あい混声合唱団 第13回定期演奏会 〜人はかつて樹だった〜 にて全曲初演された。テキストは、詩人、児童文学作家、文芸評論家、翻訳家、随筆家などで多岐に渡って活躍した長田弘の詩集「人はかつて樹だった」(みすず書房)より。平易な言葉で紡がれた自然風景、そこで生きる人間への普遍の祈りのうた。2台ピアノと混声合唱という委嘱テーマのもと、ラヴェルの「ダフニスとクロエ」など、作曲者が大きな影響を受けた作品からインスピレーションを得て、樹と人とのドラマを絶対的なスケールで描ききった。[曲目]・空と土のあいだで・あらしの海・立ちつくす
東映アニメーションという巨大な揺り籠の中で育まれ、長年にわたり王道エンターテインメントの真髄を体現し続けてきた土田豊は、アニメーション演出の極致を知る熟練のストーリーテラーです。彼の映像世界を語る上で欠かせないのは、観客の感情を瞬時に捉える緻密な構成力と、そこに宿る圧倒的な躍動感にほかなりません。キャリアの初期から数多の現場で研鑽を積み、特に魔法少女たちの成長を描く国民的な連作や、妖怪と人間が交錯する怪奇の世界において、彼は単なるエピソードの演出に留まらない、作品の骨格を成す重要な役割を担ってきました。彼の演出には、日常の何気ない仕草から宇宙規模のダイナミズムまでを等価に描き出す、映画的な奥行きが備わっています。長年の実績に裏打ちされたその確かな筆致は、作り手の熱量を損なうことなく視聴者へと届けるための架け橋となっており、商業的な成功と表現の深さを両立させる稀有なバランス感覚を証明しています。映像表現の変遷を最前線で見つめ、常に新しい技術と古典的な美学を融合させてきたその軌跡は、まさに現代アニメーション史における中核的な役割を果たしており、彼が手掛ける一カット一カットには、次世代のクリエイターたちへの指針となるような情熱と矜持が刻まれているのです。