柚木麻子/小野寺史宜/高田由紀子/神戸遥真/中島梨絵/合田文
恋の多様性がテーマのアンソロジー。こだわりも、好きになるかも、つきあいかたも、理想像も。皆が同じとは限らないから。甘いお菓子と甘いだけじゃない4つの物語をどうぞ。
本書は、恋愛という言葉で括りきれない感情の機微を、鮮やかな菓子になぞらえて描き出した珠玉のアンソロジーです。柚木麻子や小野寺史宜ら執筆陣が綴るのは、画一的な正解としての恋ではありません。相手へのこだわりや距離感の多様性を肯定するその眼差しは、読者が無意識に縛られていた愛の既成概念を、心地よくも鋭く解きほぐしてくれます。 物語に漂うのは、甘美な誘惑と口に残るほろ苦い余韻の対比です。単なる胸キュンに留まらず、自己のアイデンティティや境界線にまで踏み込む文学的な深みこそが本作の真骨頂。ページをめくるたびに未知の愛の形に出会えるはずです。自分だけの「好き」を抱きしめたくなる、豊潤な読書体験を約束します。