本作は、天下人・徳川家康の虚像を剥ぎ取り、一人の弱き若者が乱世で「どうする」と自問し続ける人間味を鮮烈に描いています。古沢良太氏らしい軽妙な台詞回しと極限の葛藤が交錯する構成は、従来の時代劇の枠を超えた文学的興奮を読者に与えます。
脚本を基にした本書は、映像では一瞬の表情に託される内面の機微を、活字という媒体で深く掘り下げています。主演の松本潤さんが見せる瑞々しい家康像を脳内で補完しつつ、物語の背後にある「決断の重み」を静かに追体験できるのは読書ならではの贅沢です。映像の躍動感とテキストの深淵が共鳴し、新たな英雄像があなたの心に刻まれるでしょう。