円地文子
学生運動の果てに行き着いた、過激派によるリンチ殺人と人質籠城事件。世間は学生だけでなく、親たちの責任も厳しく追及する。しかし、犯人の父親・鬼童子信之は「成人した子と親は別人格」として毅然とした態度を崩さない。その結果、家族には悲劇が訪れるが……。連合赤軍事件をモチーフに家族とは何かを問う、著者晩年の力作。〈解説〉篠田節子
円地 文子 は、日本の小説家。本名:圓地 富美。上田萬年の二女。戯曲から小説に転じ、『ひもじい月日』で文壇に地位を確立。江戸末期の頽廃的な耽美文芸の影響を受け、抑圧された女の業や執念を描いて古典的妖艶美に到達。戦後の女流文壇の第一人者として高く評価された。『源氏物語』の現代語訳でも知られる。日本芸術院会員、文化功労者、文化勲章受章者。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。