あらすじ
お願いです。夫を助けてください...... 証券会社に勤めるカナ(35歳)と直也(39歳)は、子供のいない共働き夫婦。 皆木との不倫関係を精算したと思っていたカナだったが、 その矢先、皆木は直也を刺し、直也は昏睡状態に陥ってしまう。 そして痴情の絡れから起きた殺人未遂は、会社をも巻き込む大事件へと発展していく。 そんな中、カナのお腹では、父親不明の子が日々刻々と成長。 ついに出産の時を迎え...? 世界で最もリアルな不倫サスペンス最終巻! 【編集担当からのおすすめ情報】 前代未聞の不倫サスペンス『あなたは私におとされたい』ついに最終巻です! 夫婦関係を保つという大義名分から始まったカナと皆木の不倫ですが、痴情はもつれ、直也の殺人未遂にまで発展。重体のまま目を覚さない直也を一人待つカナが思い出すのは、初めて直也の父に挨拶をした日のことでした。自分は直也のどこが好きで、なぜ結婚したのか。失いかけて気づくカナの心情に、共感できる人も多いのではないでしょうか。 また、最終巻ではついに、謎に包まれた女・立花ノアの過去も明らかになります。なぜ直也に不倫を持ちかけたのか?ノアの目的は何なのか?読めばきっと、あなたなりの答えが見つかるはずです。 そして、臨月を迎えたカナはついに我が子を出産。「そんな状態で生まれてくる子供なんて、不幸でしかない」というノアの言葉は、果たして予言となるのでしょうか。 登場人物の生々しい感情を、自分がその場に立ったらどう思うか考えながら、ぜひ読み進めてみてください。 読めば不倫「したくなくなる」こと間違いなし! 彼らの選択の結果を、最後まで見届けてくださいね!
作品考察・見どころ
梅涼が描く本作の真髄は、単なる不倫劇の枠を超え、平穏な日常が「正しさ」という免罪符によって崩壊していく人間の業を冷徹に暴き出した点にあります。自らを善人と信じ込み、倫理の境界線を踏み越える瞬間の心理描写はあまりに生々しく、読む者の倫理観を根底から揺さぶります。 特に最終巻で描かれる、失って初めて輪郭を現す愛の残骸と、聖女か魔女か判然としない立花ノアが象徴する底知れぬ悪意の対比は圧巻です。血の通った後悔と、呪いのような言葉の中に産み落とされる新生命。この絶望と再生が混濁する結末は、虚飾に満ちた現代の夫婦像へ痛烈な一撃を突きつける、比類なき心理サスペンスの到達点といえるでしょう。