本作の魅力は、圧倒的な画力で描かれる猫の生々しさにあります。可愛らしさに媚びない、ふてぶてしくも愛おしい「つしま」の存在感は、読者の日常に潜む生命そのものを突きつけます。著者が描くのは、猫という他者と暮らすことの滑稽さと、そこに宿る静かな孤独、そして抗いようのない慈しみです。
第2巻ではその情緒が深まり、老いと再生といった生命の循環に触れる筆致が冴え渡ります。言葉の通じない相手と心を交わそうともがく切実さが、読者の魂を激しく揺さぶるのです。これは猫への執着という名の、純度の高い愛の物語。読了後、あなたは目の前の小さな命を抱きしめずにはいられないでしょう。