水上勉
ふと立ち寄った先で見かけた何気ない光景に心を動かされる「寺泊」、終戦の日に病人をリヤカーで遠路病院まで運ぶ「リヤカーを曳いて」など『寺泊』に収録された10篇と、「わが風車」など4篇を併録した私小説集。
水上 勉 は、日本の小説家。福井県生まれ。社会派推理小説『飢餓海峡』、少年時代の禅寺での修行体験を元にした『雁の寺』、伝記小説『一休』などで知られる。禅寺を出奔して様々な職業を経ながら宇野浩二に師事、社会派推理小説で好評を博して、次第に純文学的色彩を深め、自伝的小説や女性の宿命的な悲しさを描いた作品で多くの読者を獲得。その後は歴史小説や劇作にも取り組む一方、伝記物に秀作を残した。作品の映像化も多い。日本芸術院会員、文化功労者。位階は正四位。