講談社/小川哲/五十嵐律人/秋吉理香子/呉勝浩/宮内悠介
最初の1行は全員一緒。1編6ページ、24種の「最後の仕事」。早起きした朝、昼の休憩、眠れない夜ーー。ここではないどこか、今ではないいつかへ、あなたを連れ出す7分半の物語。著者一覧(掲載順)小川哲五十嵐律人秋吉理香子呉勝浩宮内悠介河村拓哉桃野雑派須藤古都離方丈貴恵白井智之潮谷験多崎礼真下みこと献鹿狸太朗岸田奈美夕木春央柿原朋哉真梨幸子一穂ミチ三上幸四郎高田崇史金子玲介麻見和史米澤穂信『黒猫を飼い始めた』『嘘をついたのは、初めてだった』に続く、会員制読書倶楽部:Mephisto Readers Club(MRC)で配信(公開)された大人気ショートショート集第三弾。
二十四人の名手が全く同じ第一行から筆を執り、それぞれに異なる「最後の仕事」を紡ぎ出す。この極限の制約が生んだのは、作家たちの個性が火花を散らす文学的競演です。小川哲から米澤穂信まで、現代文学界を牽引する筆致が、わずか六ページという短い旅路の中に、濃密な人間ドラマと驚愕の転換を鮮やかに封じ込めています。 共通の起点から出発しながらも、辿り着く結末は日常の断片から非日常の深淵まで多岐にわたります。終わりを意識することで輝きを放つ生の一瞬、あるいは残酷で静謐な幕引き。言葉のプロたちが極限まで削ぎ落とした美学の果てに見せる、「最後」という言葉が持つ重層的な意味と熱量を、ぜひ全身で浴びてください。