小西明日翔が描くのは、極道の血が流れる男女の歪で鮮烈な愛の在り方です。第6巻では、正式な交際という形式を得たことで、逆に「普通」が通用しない二人の断絶が浮き彫りになります。暴力と慈愛が同居する霧島の底知れない狂気と、それを真正面から受け止める吉乃の凄絶な覚悟。洗練されたモノクロームの画面構成が、言葉にできない情念を読者の深層心理に鋭く突き刺します。
アニメ化により霧島の危うさがより鮮明になりましたが、原作の醍醐味は行間に漂う静謐な緊張感にあります。漫画ならではの「間」が、翔真との衝突に秘められた宿命を重層的に描き出しています。映像で物語の動的な熱量を、原作で剥き出しの心理描写を深く味わうことで、この劇薬のような物語は真に完成します。二つの媒体を往復する贅沢な快感に、ぜひ酔いしれてください。