あらすじ
ISBN: 9784065150085ASIN: 4065150086
妖怪画74作品(カラー画62作品、モノクロ画12作品)を収録。
水木しげるの緻密な筆致とつげ義春の静謐な感性が共鳴する本作は、単なる怪物図鑑の枠を超え、日本人の深層心理に根ざす異界への畏怖を浮き彫りにします。色彩豊かな画の中に息づくのは、日常の裂け目に潜む孤独や滑稽さであり、それは理屈を超えた生命の根源的な叫びです。ページをめくるたび、闇の中に潜む「気配」が読者の肌を撫で、目に見えない世界の豊穣さを鮮烈に突きつけてきます。 映像化作品では物語性や躍動感が際立ちますが、原画が放つ静止した一瞬の迫力は紙媒体ならではの特権です。アニメが動的な恐怖や親しみを与えるのに対し、本書の細密な描写は読者の想像力を極限まで刺激し、沈黙の中に潜む深淵を覗かせます。映像を入り口に、この静寂に満ちた原風景に立ち返ることで、妖怪という存在が持つ多層的な魅力は、より深く、より妖しく完成されるのです。

水木 しげる(みずき しげる 、本名:武良 茂〈むら しげる〉、1922年〈大正11年〉3月8日 - 2015年〈平成27年〉11月30日)は、日本の漫画家、妖怪研究家、紙芝居作家。 大阪府大阪市住吉区出生、鳥取県境港市入船町育ち。ペンネームは、紙芝居作家時代に兵庫県神戸市の水木通り沿いで経営していたアパート「水木荘」から名付けた。1958年に漫画家デビュー。代表作となる『ゲゲゲの鬼太郎』『河童の三平』『悪魔くん』などを発表し、妖怪漫画の第一人者となる。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。