椹野道流
「母さ...やめ...」振りほどこうともがく、まだ少年だった天本を、母は信じられないような力で押さえつけていた。「...消えて」細い指が、ぎりぎりと天本の首に食いこむ。「消えてしまいなさい、おまえなど...!」過去の悪夢を見はじめた天本のもとに、ベトナムから届けられた父の手紙。いま、失われた記憶の扉が、ゆっくりと開きはじめる―。
椹野 道流 は、日本の小説家。兵庫県甲南女子高等学校出身。血液型はO型。四緑木星。医師としての専門は法医学で、大阪医科大学社会医学講座法医学教室助手の経歴がある。現在は専門学校で教壇に立つかたわら、作家活動をしている。