文明が崩壊した静謐な世界を二輪車で旅する本作は、終末という極限状況において魂の自由を再定義する傑作です。さいとー栄氏が描く廃墟の風景は、寂寥感と同時に息を呑むほど瑞々しく、道が失われ世界がオフロードへと還ったからこそ得られる、純粋な探索の喜びが誌面から溢れ出しています。
ヨーコとアイリの軽やかな足取りは、死にゆく文明への追悼でありながら、今この瞬間を肯定する生の賛歌でもあります。第6巻でさらに深まるその静かな哲学は、閉塞した現代を生きる私たちの心に、一筋の爽快な風を吹き込んでくれるに違いありません。