姫野ユウマ/片岡翔
ありえない方法で“首を断たれた”死者が相次ぐ教室に、美貌の転校生・縦島ひとでがやってきた。謎多き彼女は敵か、味方か──? 呪われた高校生たちが辿る運命は、ひとでちゃんが握っている。
本作の最大の魅力は、平穏な教室という箱庭を襲う「美しき蹂躙」の美学にあります。不可解な断首という極限の恐怖と、転校生・縦島ひとでの超然とした美貌が織りなすコントラストは、読者の倫理観を揺さぶり、残酷なまでの耽美性を際立たせています。単なるホラーの枠を超え、生と死の境界線で踊るような危うい叙情性が、ページを捲る手を止めさせません。 脚本家としても名高い片岡翔が紡ぐ物語は、一瞬の隙も許さない緊迫感に満ちています。呪いに抗う高校生たちの葛藤を通じて描かれるのは、若さゆえの無垢さと、背中合わせに存在する暴力的な衝動です。ひとでちゃんという謎の象徴が、私たちの日常にいかなる亀裂を入れ、どのような救済(あるいは絶望)をもたらすのか。その文学的な深淵を、ぜひ全身で浴びてほしい一冊です。
片岡 翔 は、日本の映画監督、脚本家、小説家。