白川蟻ん/六つ花えいこ/秋鹿ユギリ
「僕が見つけて抱きしめたい。彼女から恐れや不安を取り除けるように」オリアナとの交際を父に認めてもらうため、実家へ帰省していたヴィンセント。戻ったら、彼女にどう愛を伝えようーー逸る気持ちを抑え、彼はオリアナの元へ走り出す。一方オリアナは、前の人生で二人が死んだ日が近づき不安を募らせていた。無情にも降り出した雨の中、ヴィンセントの帰りを待つオリアナ。そこへ現れ、そっと傘を差し出したのは……。第26話 のぞむ雨に君を連れて第27話 紫竜公爵カーティス・タンザイン第28話 白い空と赤い炎第29話 死に戻りの魔法学校生活第30話 夢に沈めた交換条件あとがき
本作の真髄は、愛の記憶を独り抱える孤独と、残酷な運命へ抗う魂の咆哮にあります。死を繰り返し、絶望の淵で磨かれたオリアナの献身。記憶を失いながらも、本能で彼女を求めるヴィンセント。二人の間に横たわる記憶の断絶が、物語に耐えがたい切なさと、究極の純愛としての深みを与えています。 第七巻では、かつての悲劇が迫る中で揺れる心の機微が鮮烈に描かれます。白川蟻ん氏の繊細な筆致が、溢れ出す恐怖や渇望といった感情の奔流を克明に映し出し、読者を物語の核心へと引き込みます。運命という名の呪縛を愛で超えようとする二人の姿は、人間が持つ希望の尊さを強く訴えかけ、私たちの胸を熱く焦がしてやみません。