本作は、宇宙世紀という神話を諧虐と批評性で解体し続ける稀有なパロディ文学です。大和田秀樹が描くザクさんは、兵器の威厳を脱ぎ捨て、現代の悲哀を背負った父という等身大の象徴へと変貌しました。最新22巻のアイドル展開も、巨大なアイコンを家族劇へと昇華させる著者の鋭い観察眼が光ります。
映像版がテンポの良い笑いを強調したのに対し、原作は緻密な描写と毒がテキストならではの深みを生んでいます。アニメの軽快さと漫画の執念に近いキャラ愛。両者を往来することで、読者はガンダムという懐の深い世界と、破壊的な笑いの真髄を目撃することになるのです。