大和田秀樹による本作は、原作への狂信的な愛と風刺が同居する批評的エンターテインメントの極致です。ガンダムという神話を日常の悲喜劇へ引きずり下ろす筆力は、23巻でも衰えを知りません。特にザクさん親子の物語には、ギャグの裏に現代社会を射抜く寓話性が宿り、読者を心地よく翻弄します。
映像版が軽快なテンポで笑いを増幅させる一方、漫画版は紙面ならではの思考の余白が魅力です。映像でキャラの熱量を受け取り、原作でナンセンスの美学をじっくり咀嚼する。このメディア間の往復こそが、本作を深く愉しむための贅沢なシナジーを生み出しています。