あらすじ
局のエースアナウンサー、研修中の医者の卵、冴えないテレビマン、子育てしながら新しい仕事を探す主夫、同僚とのささやかな会話を楽しむ編集者。仕事とプライベートの両立に悩むそれぞれの男性の働き方を描いた、マンガを含む短編5作品を収録。
バリバリ働いて出世を目指すか、自分の時間を大事にするか、本当にどちらかを選ぶことしかできないのだろうか。
今を時めく作家陣による、自分の「働き方」を探すためのアンソロジー。
ダリア・ダイアリー (夏川草介『勿忘草の咲く町で 安曇野診療記』(角川文庫)所収)
泥舟のモラトリアム (一穂ミチ『砂嵐に星屑』(幻冬舎)所収)
彼は本当は優しい (古市憲寿『文學界』2018年4月号(文藝春秋)所収)
わたれない (彩瀬まる『川のほとりで羽化するぼくら』(KADOKAWA)所収)
osaka.sora (小山健『osaka.sora』(キノブックス)より一部を掲載)
解説 吉田大助
ISBN: 9784041132197ASIN: 4041132193
作品考察・見どころ
本作は、既存の仕事小説の枠を超え、現代を生きる男性たちの静かな葛藤と祈りを浮き彫りにした珠玉の一冊です。夏川草介の誠実な眼差しから一穂ミチの鮮烈な心理描写まで、一流の書き手たちが揃うことで、単なる成功譚ではない「労働」と「生」の生々しい手触りが多角的に紡がれています。 重圧に耐える鎧を脱ぎ捨てた瞬間に現れる、切実な弱さや迷い。それこそが読者の魂を揺さぶる本質的な魅力です。効率や出世というモノサシでは測れない、個人の尊厳に根ざした「新しい働き方」への模索。本書は、どんよりとした月曜日を、自分自身を取り戻すための尊い一歩へと変えてくれる、比類なき力を持っています。