小倉繁藏(筆冩)/有限會社與野書房
本書は弘化二年、小倉繁藏筆冩による『飯沼始末録』全十巻のうち、第四、五巻を複製したものである。 『飯沼始末録』は秀吉の大坂築城の際に飯沼勘兵衞が加藤幸助に討たれ、勘兵衞の子、初五郎が躄(いざり)になりながら箱根山中で敵討ちをする物語で、この物語を種に、司馬芝叟が時代や人名を變へて淨瑠璃「箱根霊驗躄仇討」とし、歌舞伎にもなつた。 『飯沼始末録』の筆冩本は幾つか知られてゐるが、筆冩年代や筆者により、字句の改變や文章の追加、削減などが成されるので、その差異の讀み比べも。書き本讀みの樂しみのひとつである。原本の巻末には、「弘化二年 巳十二月写 小倉繁藏正重」とある。巻頭に「小倉正」、と「小正」、巻五の末に「小倉正」の墨印があり、執筆者の印かと思はれる。 本書『小倉繁藏筆冩本・飯沼始末録・貳』の内容は、次の通り。 巻之四一 飯沼初五郎奧州へ行事 附谷十次兵衞山川耳ておぼるゝ事一 老人初五郎へ単物を遣ハ須事 附九十九家へ有付事 巻之五一 母娘之樣子を立聞の事 附初五郎娘越計る事一 娘かよおもひ煩ふ事 附母新左衞門江訴詔之事
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