あらすじ
ISBN: 9784908443008ASIN: 4908443009
太平洋戦争末期、特攻隊員が墜落し流れ着く島があった。鹿児島県沖にある、「黒島」である。
特攻隊員が出撃するルート上に島があったため、ろくに訓練も受けていない学徒兵や少年兵が操縦する整備不良の飛行機が途中の海に墜落するのである。
戦争末期で自分たちの食べるものもないのに島の人たちは、自分たちが木の根っこや雑草を食べてでも、生きて流れ着いた若者たちを救おうとした。
今蘇る、「黒島」の人たちと、思いなかばで不時着した若き軍神たちとの、戦争と愛情の記録。
●三島村黒島全景
●はじめに
●平成十五年(二〇〇三年)一二月
・黒島を知った
●昭和二〇年(一九四五年)四月
・柴田少尉
・安部少尉
・安永青年
・荷物投下
・江名少尉
・終戦
・黒島と戦後の絆
●平成一六年(二〇〇四年)五月
・黒島の慰霊祭
・余話(あしたよな)
●あとがき「ヨーイ、スタート!」のカチンコが鳴って 小林ちえみ
●エピローグ「出版からの出会い、ドラマは終わらないー」 小林ちえみ
銀幕の裏側で、壮大な夢の設計図を現実に繋ぎ止める、冷徹な理知と熱い情熱を併せ持つ稀代のプロダクション・マネージャー、それが小林広司である。日本を代表するアニメーション制作の現場、とりわけ世界を震撼させたスタジオジブリの黄金期において、彼は複雑に絡み合う制作工程を統べる「知の心臓」として機能してきた。その軌跡は、単なるスケジュールの管理に留まらない。作家たちの峻烈な美意識が、巨大な組織の重圧に押し潰されることなく、純度の高い映像へと昇華されるための聖域を死守してきたのである。キャリアの全容を俯瞰すれば、彼が関与したプロジェクトがいずれも破綻なく、かつ芸術的な極致へと到達している事実に驚かされる。これは、クリエイターの独創性を尊重しつつ、それを商業的な成功へと着地させる卓越したバランス感覚の証明に他ならない。統計的な側面から見ても、彼が現場に介在することで、制作の安定感と最終的なクオリティが飛躍的に向上する傾向が顕著であり、数値化できない信頼の厚みこそが彼の真骨頂といえる。映画という総合芸術の極北において、小林広司という存在は、静謐なプロフェッショナリズムがもたらす揺るぎない品格を象徴している。