あらすじ
箸を持つ手がふるえて食事が摂りづらい、コップがふるえて飲み物がこぼれる、宅配便や書留の受領書にハンコやサインをするときにふるえる。・・・これは、自分の意思と関係なく手がふるえる「本態性振戦(ほんたいせいしんせん)」という病気です。手がふるえる以外には異常が見当たらず、なぜ自分が意図しないのに“ふるえ”が生じているのかは、はっきりしていません。手の“ふるえ”は「命にかかわるものではない」けれど、年齢を重ねるにつれて“ふるえ”が強くなり、食事や薬の摂取ほか、書類へのサインなど生活に支障をきたすようになります。
本書では、手の“ふるえ”と闘う方々に、病気との向き合い方、さらに病院での診察から薬の処方をガイドします。そして、効果的な食事、ツボ押し、ストレッチ、瞑想法ほか、病院では教えてくれない「“ふるえ”をピタリと止める」コツを紹介しています。
第1章 年をとると「手のふるえ」がやってくる
第2章 「手のふるえ」の原因を探る
第3章 「手のふるえ」検査と治療
第4章 自分でできる簡単セルフケア
第5章 「手のふるえ」を緩和する食事と栄養
第6章 わたしはコレで「手のふるえ」が止まった
作品考察・見どころ
本書は、意思と身体の乖離という根源的な苦悩に光を当てる、魂の救済の書です。本態性振戦。命に別状はなくとも日常の尊厳を削り取るこの病に対し、著者は身体という裏切りをどう受容し、調和を取り戻すかを真摯に問いかけます。そこには、肉体に縛られた人間の脆さと強さを肯定する、文学的な深みさえ漂う哲学的な洞察が息づいています。 医学的知見からセルフケアまでを網羅した構成は、主導権を奪われた人生への逆転劇を想起させます。食事や瞑想といった具体的なアプローチが、再び己を律するための力強い希望へと昇華されていく過程は圧巻です。震える手を見つめる孤独な戦いに終止符を打ち、再び世界と手を繋ぐための勇気を与えてくれる、情熱に満ちた一冊です。