あらすじ
ISBN: 9784900997516ASIN: 490099751X
1957年フランス、二人の駆け出しの映画作家が、世界で初めてヒッチコックの全作品を徹底的に論じ上げたー。秘密と告白、運命と意志、悪の誘惑、堕罪と救済、そしてサスペンス。通俗的な娯楽映画という世評に抗し、ヒッチコックの華麗な演出に潜む形而上学的主題へと迫った、ヌーヴェルヴァーグによる「作家主義」の記念碑的書物。
ロメールとシャブロルという後の巨匠が、当時「娯楽の職人」に過ぎなかったヒッチコックを真の芸術家へと昇華させた、映画史に燦然と輝く記念碑的な論考です。単なる演出術の解説に留まらず、スリルの背後に潜む罪と救済、運命と意志といった形而上学的なドラマを、鋭利な筆致で抉り出していく過程は圧巻の一言に尽きます。 秘密の共有や告白といったテーマを神学的、哲学的な次元で読み解く本書は、読者の眼を観ることから洞察することへと変貌させます。ヌーヴェルヴァーグの熱き魂が、巨匠の映像魔術に隠された魂の震えを暴き出す。この知的サスペンスに満ちた読書体験は、映画という表現の深淵を愛する者にとって、抗いがたい誘惑となるはずです。
