柴田ヨクサルが描くのは、狂気をも凌駕する純粋という名の熱量です。本作は、ヒーローへの憧れを捨てきれない大人の滑稽さを描きつつ、その情熱が現実を打ち砕く瞬間に宿る文学的崇高さを鋭く突いています。意志の強さと夢を信じ抜く孤独な気高さという普遍的テーマを肯定する、至高の人間賛歌と言えるでしょう。
映像版では動的な迫力が補完されていますが、原作の醍醐味は紙面から溢れる線の圧倒的な圧にあります。特有の熱い筆致が、読者の脳内に実写以上の質感を喚起させるのです。漫画の哲学的な独白と映像の躍動感が共鳴することで、特撮の枠を超えた多層的な魅力が深まっており、両者を味わうことで物語の真髄が鮮烈に立ち上がります。