本作の魅力は、重力を無視して夜の摩天楼を舞う格闘描写の圧倒的な躍動感にあります。主人公が放つ、暴力の先にある自由への渇望が、エネルギッシュな映像演出によって神話的な美しさへと昇華されています。闘争本能が激しく交錯する中で、静寂と喧騒が交互に押し寄せる緩急自在のリズムは、観る者の心拍数を極限まで高め、理屈を超えたカタルシスを与えてくれます。
朴璐美をはじめとする実力派キャストの熱演も、作品の深度を決定づけています。単なる格闘アクションの枠を超え、何かに取り憑かれた者の孤独と純粋な高揚を鮮烈に描き切った本作は、自身の限界を突き破り、高みへと羽ばたこうともがくすべての人々へ贈られた、魂を揺さぶる強烈な賛歌といえるでしょう。