中村泰之/秋田昌美/川崎弘二/佐藤薫/モーリー・ロバートソン/鈴木創士
01. メルツバウ フォトギャラリー 秋田 昌美02. メルツバウヒストリーインタビュー 第4回 2000年代以降 秋田昌美 インタビュアー 川崎 弘二03. NHKの電子音楽 第4回 占領期編 1945年~1952年 川崎 弘二04. R.N.A.ORGANISM『R.N.A.O Meets P.O.P.O』05. Morley meets R.N.A.O モーリー・ロバートソン06. R.N.A. Organism アルバムレビュー よろすず07.「掴み難さ」の政治性 -R.N.A. Organismの戦略を巡ってー よろすず08. ウイルスをつくる ~ 逆転写されたアナログ・テープ 森田潤09. 騒音書簡 市田良彦⇄鈴木創士10. 甦る、伝説のエレクトロ・ノイズ・インダストリアル ─佐藤薫、インタヴュー インタビュアー 野田努11. R.N.A. ORGANISM 関連テキスト12. R.N.A. ORGANISM フォトギャラリー 佐藤薫13. Vita Nova朗読 Sôーsi Suzuki+Jun Morita14. 森田潤との共作について 鈴木創士 196815. 破壊と修繕 ──ピンチョンとディック 木澤佐登志16. 1968年、音楽 鈴木創士17. ヒップホップ無神論 ~神学的基礎づけに抗して~ 久世
川崎弘二という名は、日本の映像表現において、静謐ながらも確かな重力を持つ作家として刻まれている。派手な喧騒からは一線を画し、画面の奥底から滲み出るような情緒を紡ぎ出すその手腕は、観る者の魂を静かに震わせる名匠の風格を漂わせる。彼の足跡を辿れば、そこには地道な研鑽と、表現に対するストイックなまでの誠実さが見て取れる。演出家としてのキャリアは、一朝一夕に築かれたものではない。現場での豊かな経験から培われた一場面への徹底したこだわりは、年月を経て円熟味を増し、今や彼にしか到達し得ない独自の映像美学へと昇華されている。キャリアを俯瞰して見えるのは、作品の底流に常に流れる一貫した人間賛歌だ。叙情的な風景描写と、俳優の細やかな機微を逃さない鋭い観察眼。これらが共鳴し合うことで、物語は単なるフィクションを超え、観客の記憶に永く留まる普遍的な真実へと近づいていく。特定の型に嵌まることを拒み、常に新たな表現の地平を切り拓こうとする姿勢は、業界内でも厚い信頼を寄せられている。彼の演出は、演者の潜在能力を極限まで引き出し、作品全体に深い余韻をもたらす。映画という虚構に真実の命を吹き込み続ける川崎弘二の挑戦は、これからも映像文化の豊穣さを我々に示し続けるに違いない。