中村泰之/秋田昌美/佐藤薫/川崎弘二/荘子it/松下隆志
01. メルツバウ フォトギャラリー 秋田 昌美02. メルツバウヒストリーインタビュー 第三回 1990年代 秋田昌美 インタビュアー 川崎 弘二03. NHKの電子音楽 第3回 戦前/戦中編 1934年~1945年 川崎 弘二 Tolerance04. tolerance 2023 Mesh-key Records05. Fragments of recollection:TOLERANCE 佐藤 薫06. Toleranceについて ~パンク以後、屹立、モノクロームからなる断想~ よろすず07. Tolerance / Anonym / Divin REVIEWS By PHILIP SHERBURNE08.「音楽家Stephan Mathieuの活動終了に寄せてーA Young Person‘s Guide To Stephan Mathieu-」 よろすず09. tolerance 5CD BOX きょうrecords HIP HOP III10. 荘子itインタビュー ~ダイナミズムを獲得するために~ インタビュアー 久世11. ラッパーたちの戦争と平和 ──「2.24」以後のロシアの音楽表現をめぐって 松下隆志12. 上昇する音楽 -PeterParker69, Jeter & Y ohtrixpointnever 『deadpool』について 市川タツキ
川崎弘二という名は、日本の映像表現において、静謐ながらも確かな重力を持つ作家として刻まれている。派手な喧騒からは一線を画し、画面の奥底から滲み出るような情緒を紡ぎ出すその手腕は、観る者の魂を静かに震わせる名匠の風格を漂わせる。彼の足跡を辿れば、そこには地道な研鑽と、表現に対するストイックなまでの誠実さが見て取れる。演出家としてのキャリアは、一朝一夕に築かれたものではない。現場での豊かな経験から培われた一場面への徹底したこだわりは、年月を経て円熟味を増し、今や彼にしか到達し得ない独自の映像美学へと昇華されている。キャリアを俯瞰して見えるのは、作品の底流に常に流れる一貫した人間賛歌だ。叙情的な風景描写と、俳優の細やかな機微を逃さない鋭い観察眼。これらが共鳴し合うことで、物語は単なるフィクションを超え、観客の記憶に永く留まる普遍的な真実へと近づいていく。特定の型に嵌まることを拒み、常に新たな表現の地平を切り拓こうとする姿勢は、業界内でも厚い信頼を寄せられている。彼の演出は、演者の潜在能力を極限まで引き出し、作品全体に深い余韻をもたらす。映画という虚構に真実の命を吹き込み続ける川崎弘二の挑戦は、これからも映像文化の豊穣さを我々に示し続けるに違いない。