この一冊は、特撮文化の美学を静止画で封じ込めた「造形の哲学書」です。十周年の節目を飾るディケイドの、複雑なデザインに宿る執念を精緻な特写で剥き出しにしています。歴史を破壊し再構築するという過激なテーマが、細部の質感を通して言葉を介さずとも雄弁に語りかけてきます。
映像では一瞬で過ぎ去る造形の真髄を、自分のペースで解体・分析できるのは本書ならではの特権です。映像が動の興奮を与えるならば、本書は静の思索を促します。両者を往復することで、作品が持つメタ的な奥行きをより深く味わえる、至高の相乗効果を体験できるはずです。