全光鏞
一九四五年、日本の敗戦とともに植民地のくびきを解かれたはずの朝鮮半島は、喜びも束の間、東西冷戦のまっただ中に投げ込まれた。戦後の混乱はやがて朝鮮戦争の勃発とともに全土に及び、戦乱の中で肉親を失ったり生き別れになる人が続出した。政治・軍事とは遠く離れた山里や都会の片隅で時代に流され、あるいは時代にあらがって必死に生き、また運悪く死を受け容れざるをえなかった人々の、心の叫びをすくい取った珠玉の短編集。