この作品の真髄は、命の誕生を単なる受動的な現象ではなく、子供自身の「能動的な意志」として描き出した点にあります。のぶみ氏の温かな筆致は、親子の絆を宇宙規模の運命として全肯定し、育児の苦悩の中にいる親たちの魂を救済するような、文学的な慈愛に満ちています。
映像化作品では音楽と声が情緒を豊かに補完していますが、あえて絵本で対峙する意義はその「沈黙の間」にあります。一頁を捲るたびに自身の愛や記憶を投影する時間は、映像体験を越えた深い精神的対話をもたらし、親子が今ここに共にいる奇跡を鮮烈に再認識させてくれるはずです。