あらすじ
ISBN: 9784758444927ASIN: 4758444927
颶風の被害から建て替えられた「紅屋」は、お勝手も新しくなった上に、やすのための部屋も作られた。
そしてお勝手で働く新しい小僧として、とめ吉が加わった。
料理人としての立場に緊張しながら、やすは期待に胸を膨らませつつ、お小夜さまと清兵衛さまに工夫を凝らした料理を考える。
しかし順調に見えた「紅屋」に対する何者かの嫌がらせがとめ吉を襲う。
一方、江戸で知り合った山路一郎とやすとの関わりにも新たな進展が……。
大好評お勝手のあんシリーズ第六弾!
柴田よしきが描く本シリーズの真髄は、美食の悦びを超えた「魂の再生」にあります。第六弾では、紅屋の再建とともに、主人公・やすが料理人としての覚悟を問われる姿が胸を打ちます。彼女が紡ぎ出す一皿は、単なる食事ではなく、傷ついた人々を慈しみ、再び立ち上がらせるための「祈り」の結晶。そのひたむきな筆致が、読者の心に深く染み渡ります。 特筆すべきは、新入りへの慈愛と山路一郎との間に揺れる情愛の交錯です。日常を脅かす悪意に直面しながらも、やすが己の「信じるもの」を貫こうとする様は、一筋の光のように鮮烈です。文字から立ち上がる豊かな香りと、凛とした人々の生き様。江戸の台所から届けられるこの至高の人間賛歌を、ぜひ全身で堪能してください。