あらすじ
ISBN: 9784595312045ASIN: 4595312040
西欧における国家は,民主政治を実現する上での枠組みであると同時に,経済的繁栄と社会的公正を確立するための装置として建設されてきた。しかし,第二次世界大戦後に開始され,冷戦の終焉後に加速された国家統合は,それを推進した国家自体を逆説的に相対化しつつある。本書では,現代西欧における国家のありようを,主として近代以降の発展史の観点から考え,西欧諸国家がグローバル化と欧州統合の中で変容を重ねるその実像を解説する。
1.問題の設定と全体の構成 2.普遍帝国の解体と国家建設 3.近代化の始動ーフランス革命と産業革命 4.自由主義とその民主化戦略 5.「国民国家」の時代 6.自由主義的国家の機能とその変質 7.変容する政治社会と体制変動 8.第一次世界大戦の衝撃と遺産 9.経済危機と政治 10.戦後復興、高度成長と福祉国家の建設 11.ローマ条約への道 12.高度成長の終焉ー社会変化と政策対応 13.新自由主義の台頭ー政治路線対立の激化 14.冷戦終焉後の国家ーグローバル化と統合の進展 15.総括と展望ー国家とEU

飯田芳は、現代日本映画の銀幕において、過剰な装飾を削ぎ落とし、ただそこに「存在すること」の崇高さを体現する稀有な表現者です。彼の歩みを辿ると、濱口竜介監督をはじめとする鋭利な作家性を追求するクリエイターたちとの深い共鳴が見て取れます。初期の活動から一貫して、彼はスクリーンの端々に潜む日常の機微を丁寧に拾い上げ、観客が時に目を逸らしがちな人間の不器用さや静かな孤独を、驚くほど誠実な眼差しで演じてきました。特筆すべきは、台詞の背後に広がる沈黙を操る卓越した身体性です。彼の出演作を俯瞰すれば、特定の役柄に埋没することなく、物語全体のリアリティを担保する「絶対的な重石」としての役割を常に果たしていることが分かります。多くの批評家や映画ファンが彼の出演に寄せる厚い信頼は、単なる実績の数ではなく、一つひとつの作品に対して差し出された深い献身と観察眼の証と言えるでしょう。大規模な商業作品の喧騒とは一線を画し、ミニシアターの暗闇でこそ静謐な輝きを放つその立ち姿は、近年の日本映画が国際的な評価を獲得する過程において、なくてはならない重要なピースとなりました。キャリアの変遷を分析すると、彼が選ぶ作品は常に高い芸術性を維持しており、次世代の俳優たちが目指すべき、真のアンサンブル・キャストとしての理想像を体現し続けています。