本作の真髄は、何気ない日常に宿る豊かさの再発見にあります。くるねこ大和氏の軽妙な筆致は、独身生活を孤独としてではなく、猫という異種族との静かな共鳴として描き出します。尾張地方の空気を纏ったリアリズムと、猫たちの愛らしくも野生味溢れる振る舞いが、読者の心に極上の安らぎを与えてくれます。
第2巻では生活の伴侶としての絆がより深まり、言葉を介さぬ信頼関係が現代的な家族の形を提示しています。刺激的な事件はなくとも、のりまきたちの些細な仕草が織りなすドラマは、ページをめくるたびに温かな体温を伝えてきます。これは、忙しない日々を慈しむための、至高の生活美学が詰まった一冊です。