呉勝浩が放つ本作は、理不尽な絶望に叩きつけられた魂が、怒りという名の火薬で世界を撃ち抜く強烈な快作です。緻密な心理描写と暴力的な疾走感が同居する文体は、読者の倫理観を激しく揺さぶりながら、どん底の淵からしか見えない鮮烈な生の輝きを提示します。
二人の女性が背負う不幸は救いようがないほど過酷ですが、彼女たちが選ぶのは受難ではなく、武装という名の自己肯定です。これは単なるバイオレンス小説ではありません。傷だらけの彼女たちが世界への復讐を通じて「自分」を奪い返す、魂の叫びが刻まれた究極のビルドゥングスロマンなのです。