バッドビート
あらすじ
ISBN: 9784065224458ASIN: 4065224454
目の前にある三体の死体。殺したのは、誰だ? 今もっとも注目されている作家による、ノンストップミステリー。
呉勝浩という作家の真骨頂は、極限状態に置かれた人間の剥き出しの業を描き出す、容赦のない筆致にあります。本作は三体の死体という絶望的な光景から幕を開けますが、真に震えるべきはそこに至るまでの残酷なまでの心理描写です。読者は一文字ごとに逃げ場のない焦燥感に飲み込まれ、人間の倫理観が音を立てて崩壊していく様を、五感で体験することになるでしょう。 不条理な不運と、それでも足掻こうとする人間の滑稽なまでの生命力こそが、本作の文学的魅力の核心です。一瞬の判断が生死を分かつ緊密な構成の中で、言葉のひとつひとつが鋭いナイフのように読者の心に突き刺さります。単なる謎解きの枠を超え、絶望の淵でしか見えない「生の眩しさ」を浮き彫りにした、著者ならではの魂を削るような傑作といえます。