押切蓮介
その程度のソニックでは、この教師は貫けない──。『サイコパワー』より最高パワー!そんな「小春好き好き勢」として生徒たちと決勝に勝ち進んだ2007年。ネームドボスの凶悪な強さを前に闇落ちしそうな教え子を救うべく、彼女は閃空から手を差し伸べた──。
押切蓮介が描くのは単なる懐古趣味ではない。本作は、かつての熱狂を胸に大人になった者たちの、泥臭くも高潔な「魂の再点火」の物語だ。第8巻で描かれる日高小春の執着と次世代への継承が交差する瞬間は、凄まじい筆致で読者の胸を打つ。醜悪さと美しさが同居する独特の画風が、葛藤する人間の内面をこれ以上ないほど雄弁に物語っている。 過ぎ去った時代への愛惜を、単なる感傷に留めない文学的な深みがここにある。かつての敗北を糧に不器用ながら前を向く大人たちの姿は、現代社会を生きる者への力強いエールだ。再びレバーを握る彼女たちの眼差しには、人生という名の格闘ゲームを最後まで戦い抜くための、本質的な強さが宿っている。
押切 蓮介 は、日本の漫画家・歌手。男性。