北方謙三
葬儀の帰り、教会を出た私は見知らぬ婦人に声をかけられた。小林悦子。高校時代に交際していた女生徒の友人だった。バレンタインカードをくれたこともあったらしい。私にも女と知り合うために情熱を注いだ時期もあったのだ。ひと月後、私は悦子を食事に誘った―。「抱擁」をはじめ、北方謙三が紡ぎ出す男と女の愛のかたち八篇。単行本未収録エッセイ「女たちよ。」収録。
北方 謙三 は、日本の小説家。